コラム
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【OCI】OCPUとECPUについて
2025年01月23日

VMインスタンス作成時のシェイプの決定にCPUは欠かせません。
CPU数によってVMのスペックやコストが変わります。
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)ではCPUの単位としてOCPUが使用されています。
また、近年新たなコンピュートモデルとしてECPUが登場しました。
今回は、OCPUとECPUについてご紹介いたします。
OCPUとは?
OCPU(Oracle CPU)はOracle独自のCPU単位として使用されており、他のクラウドサービス と大きく異なる点はコア数の考え方です。
他のクラウドサービス では一般的にvCPU(仮想CPU)が単位として使用されることが多いです。
vCPUは物理コア内のスレッド単位の考え方であるのに対して、OCPUは物理コア単位の考え方です。
同じ1コアであってもvCPUにおける1コアは1スレッド(=0.5物理コア)であり、OCPUにおける1コアは2スレッド(=1物理コア)となります。
1OCPU=2vCPUという対応関係になることを把握することで、他のクラウドサービス とのコスト比較を適切に行うことができます。
ECPUとは?
ECPU(Elastic CPU)は特定のデータベースサービス向けの新たなコンピュートモデルとして追加されたOracle独自のCPU単位です。
2024年12月時点で、Autonomous Databaseおよび MySQL HeatWaveで利用可能です。
ECPUモデルのコスト削減
Autonomous DatabaseではECPUモデル独自の機能としてエラスティック・リソース・プールがあります。
ECPUモデルのAutonomous DatabaseではOCPUモデルと同様にデフォルトで自動スケーリングが有効になっており、コスト削減が可能です。
しかし、エラスティック・リソース・プールを活用することで特定のユースケースにおいてさらなるコスト削減が期待できます。
エラスティック・リソース・プールでは、長時間アイドル状態でピーク時にのみ高負荷となるような負荷の変動が大きいデータベースを100台、1000台規模でAutonomous Databaseへ移行するケースで大幅なコスト削減が見込める機能です。
利用する際はエラスティック・プールを作成後、対象のデータベースをプール・メンバー としてグループ化します。
エラスティック・プールのプール・サイズ は128、256、512、1024、2048、4096ECPUの中から選択でき、プール・サイズ の最大4倍のECPU数をプロビジョニング可能かつプール内のADBインスタンスのECPU割り当て を1ECPUにできることが大幅なコスト削減につながる 要因となります。
エラスティック・リソース・プールでは、エラスティック・プール全体の時間当たりのCPU使用量が課金額となります。
例えば、最小サイズの2ECPUのインスタンス512台を移行する場合、エラスティック・リソース・プールを利用しない課金額は 2(ECPU)×512(台) =1024ECPU/ 時間 となりますが、エラスティック・プールを利用すれば128ECPUのエラスティック・プールを作成後、1ECPUで割り当てた512台のインスタンスを追加することで対応でき、仮にプール全体でのCPU使用量が128ECPU以下であれば128ECPU/ 時間が課金額となります。
従って最大で9割近くのコスト削減が実現可能となります。
OCPUとECPUの相互関係
スペック自体に差はありませんが、課金モデルが異なります。
Autonomous DatabaseとMySQL HeatWave、それぞれのOCPUおよび ECPUの単価は以下の通りです(※2024年12月時点の料金単価となります)。
Autonomous Database | MySQL HeatWave | |
ECPU(円) | 52.080 | 5.673 |
OCPU(円) | 208.335 | 5.890 |
ECPUモデルのデータベース作成時の注意点
・MySQL Heatwaveのリードレプリカ
OCPUモデルの場合4OCPU以上でリードレプリカが利用可能ですが、ECPUモデルでは8ECPU以上で利用可能となります。
作成時にデフォルトで8ECPUのスペックが選択されていますが、リードレプリカを利用したい場合は注意が必要です。
詳細は公式ドキュメントをご参照ください。
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/mysql-database/doc/supported-shapes.ht
・Autonomous Databaseのバックアップ
OCPUモデルおよび ECPUモデルは、 共に自動バックアップであり、保持期間はどちらも60日ですがECPUモデルであれば1 日〜60日まで保持期間の指定が可能です。
OCPUモデルでは自動バックアップ用のストレージがデータベースのストレージ費用に含まれるため追加料金はありませんが、ECPUモデルでは自動バックアップ用のストレージがデータベースのストレージ費用とは別になるため、追加料金が発生することに注意が必要です。
詳細は公式ドキュメントをご参照ください 。
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/autonomous-database-serverless/doc/backup-intro.html
まとめ
今回はOCPUとECPUについて紹介しました。
Autonomous DatabaseのOCPUモデルは今後廃止予定であり、MySQL HeatWaveのOCPUモデルは既に非推奨となっているため、早めのECPUモデルへの移行をお勧めします。
※MySQL HeatWaveのOCPUモデルは2025年9月6日以降、既存ユーザーを含め使用できなくなります。
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